「目障りなのよ」


どうしてここまで言われなきゃいけないの?


啓吾に憧れている子なら他にもたくさんいるのに、幼馴染みってだけでこんな仕打ちを受けるなんて理不尽過ぎる。


啓吾が好きなら、回りくどいことしてないで、本人に気に入られる努力をすればいいのに。
こんなふうに陰で彩を責めたって、何も変わらないのに。


ただ彩に不可侵条約でも結ばせたいなら、言ってくれれば簡単に頷くのに。


彩は痛む頭をさすりながら思った。


「何か言いなさいよ!」


金切り声が上がると同時に、彩は髪を強く引っ張られた。


泣くもんか。
きっと彼女たちは、啓吾に見向きもされない腹いせをしたいだけなんだから。