啓吾とは簡単に二人きりになれると知ってしまうと、余計なことを考えてしまう。


話したのは本当に賭けのことだけだろうか、とか。
彩に何もしなかっただろうか、とか。
考え出せばきりがない。


「付き合ってねーよな。
お前は年下のガキだし」


痛いところをつかれ、英知はムッとして足を止めた。


「二つしか変わんねぇよ!
っていうか、さっきから何なんだよ」


「彩ちゃんのことどう思ってんの?」


今まで啓吾にこんなにはっきりと彩のことを聞かれたことはなかったから、英知は驚いた。


そして慌てればまたからかわれるだろうと思い、英知は素っ気ない振りをする。


「別に…」


本当は彩のことがどうしようもなく好きでたまらないのに。