「ちっちゃくて悪かったわね!」


「何なら俺がおっきくしてあげよっか」


英知は難なくキャッチしたぬいぐるみを手に、彩ににじり寄る。


「冗談やめて…」


彩は手当たり次第にぬいぐるみを投げつけたけど、運動神経の良い英知にはそれを避けるくらい簡単で、


「野球部、エースで四番の動態視力なめんなよ」


すぐに彩の目前までたどり着き、その手を掴んでしまった。


「ちょっ…、やだ」


「いいじゃん」


「やめてってば!
私からかって楽しいの?」


「楽しい」


満面の笑みで答える英知に呆れる間もなく、彩はベッドに組み敷かれてしまった。