英知は爆睡してるくせに、しっかり握って離さない。


慎重に指を一本一本剥していくと、中指に差し掛かったところで英知の呼吸が乱れた。


うーん、と寝返りを打つ英知を見ながら、もっと慎重にやらなきゃ、とホッと息を吐いたとき。


「何してんの?」


突然目を開けた英知に、彩は驚いて飛び上がりそうになった。


「それはこっちのセリフ!
何で英知が私のベッドで寝てんのよ!」


「だって彩のベッド気持ちいいし、いい匂いすんだもん」


英知は彩の枕を抱きしめる。


そんなことより、と彩はブラを引っ張る手に力を込めた。


「こ、これ返して…」


声が上擦る彩に、英知はにやりと笑って引っ張り返す。


「駄目。
返して欲しかったら拾い主に一割」


英知は奪い取ったブラを頭上でヒラヒラ振りながら言った。