英知も大きくなったな。


そう思いながら、そっと英知の髪を撫でようとしたとき。
彼の手に見慣れた物が握られていることに気付いた。


彩は途端に真っ赤になる。


「それ私の…」


英知が握り締めていたのは、彩のブラジャー。


辺りを見回せば、他にも彩のパジャマやら靴下やらがベッドの脇に散らばっている。


きっとベッドに置かれた洗濯物に手を出したに違いない。


「英知ってばー!」


今すぐ叩き起こして怒っても、英知のことだから『そこにブラがあったから』なんて開き直りかねない。


返してもらえなくても困るから、仕方なく英知が寝てる隙に取り返すことにした。