初恋の実らせ方

別の日にしてもらおうとしたところで、彩は思い留まる。
その日に英知の試合があることを知った上で、啓吾が彩を誘ったことに気付いたから。


「土曜は模試があるんだ。
日曜でいいよな?」


英知の試合があれば、応援に行くのが彩の決まりごとになっていた。
一度だけ高熱を出して行けなかったことがあったけれど、そのときの英知の落ち込みようはなかったから。


いくら今、英知と気まずいからと言って、それは応援に行かない理由にならない。
彩も英知の野球をしている姿がとても好きだった。
だけど。


「何か先約?」


啓吾に聞かれ、彩は少し迷ってから首を横に振った。


啓吾の言葉の端々から、彩を英知のそばに行かせたくないのが何となく感じられる。
彩は自分が啓吾を不満を与えているのが嫌だった。