「誤解?
恋人同士って?」


「ありえないか」


彩は自分の発言に呆れてしまう。


「俺は誤解されてもいいよ。
彩ちゃんかわいいし」


さらっと出た言葉に、彩の顔が赤く染まる。


啓吾にこんなことを言われて赤くならない女の子なんていないんじゃないだろうか。


確信犯なのか、本当に自分の魅力に無頓着なのか分からないけれど、彩はこんなふうに啓吾の言葉に一喜一憂させられる自分が嫌だった。


「―――はい、到着」


啓吾は人目を気にする彩を気遣って、昇降口から少し離れたところに自転車を停めた。