「そんなの、時効だよ」


「―――英知にとっては、嫌な思い出なの?
私は大事だよ。
だって私、まだ英知のこと好きなんだもん…」


「え…?」


それじゃ約束と違う、そう彼女を責めようとした瞬間、真希が続ける。


「…キスできたってことは、英知も私のこと嫌いじゃないってことでしょ?」


「―――何言ってんだよ。
お前が諦めるって言ったから…」


「言ったけど…。
だけど結局キスしてくれたことに変わりないもん。
少しは私にだって望みがあるかもしれないってことでしょ?
それなのに、はい終わりって切り替えできるはずないじゃん!」


真希の表情は真剣だった。


それなら、真希は振られてからもずっと英知を思い続けていたんだろうか。