「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!!」

「走れぇぇぇぇぇ!!!!!!」

『廊下は静かに歩きましょう。』


そんな張り紙なんて勿論無視。

全速力で廊下をダッシュしてます。


ガララララッ

「だぁっっ!!!ギリ…セーッフ…」

「うん…っ疲れ…たぁっ…」

チャイムと同時に教室へ入ったつもりだった。

「なーにがギリセーフだ。アウトだよ」


はっと笑う、数学教師の山口先生。因みに性悪の男だ。


「なぬっ!?いやギリセーフっしょ!!」

「問答無用。星野お前は遅刻したから今日の放課後居残りな♪」


「はっ!?なんでよ!!だったら桜子もじゃん!!」

「橋本は星野と違って優等生だからな。居残りしてまで勉強する必要がないんだよ。残念だったな」


桜子はニヤニヤしながらあたしを見てきた。



くそっ、忘れてた…。

そーいや桜子頭良かったんだった…。


「ぬぁぁあ!!まじかよぉ!!あたし数学1番嫌いなんだけどぉっ」


頭を抱えながら喚いているとクラスメートが笑った。

「おーそりゃよかった。たーっぷり頭に叩き込んでやるよ」

「やめろぉぉぉぉ!!!!」