ケータイで時間を見ると着席してなきゃいけない時間の5分前。
あたしの家は学校から歩いて30分のとこ。
走っても間に合わないだろう。
「あー…。ごめん葵。あたしの事待ってたせいで葵も遅刻になっちゃった」
「ん、大丈夫。俺数学以外成績優秀だし」
「嘘…。数学できないからてっきり馬鹿なんだと思ってたわ」
「凛と一緒にすんなよ」
といいながらふっと口角をあげた。
雑誌に載ってるモデルよりも全てが様になってる。
なのに。なんでこんなにかっこいいのに、学校で騒がれないんだ。
葵みたいにかっこいい人がいたらあたしでも気づくはず。
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