「おー、おまえら知り合いだったんか?」
「あー…はい。幼なじみです」
未だにあたしが泣いてるから葵が遠慮気味にに答えた。
「まぁいい。おまえらもう帰れ。時間遅いから気をつけて帰れよ」
「ありがとうございます。それじゃあさようなら」
葵は、机の上に散らばったままの教科書やシャーペンを鞄につめて、あたしの手を引っ張って学習室を出た。
手を握ったまま、葵は廊下をスタスタ歩く。
「あの、葵?」
あたしの呼びかけに足を止めて振り向いた。
「どした?」
「あの…手」
「…やだ?」
「えっ、いや…別に」
曖昧に答えると、またスタスタと歩き出した。
強引…。
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