恋する手のひら

秀平が事故に遭ったときも、記憶を失ったときも、希美ちゃんと寄りを戻したときだって。
タケルが側で支えてくれなかったら、きっと私の心は壊れてしまっていた。

タケルがいてくれたから、今も私はこうして笑うことができてる。

ゆっくりでも確実に好きになっていく。
そういう恋愛だっていいよね。

私がタケルを見ると、彼が微笑み返してくれるのが嬉しい。

タケルは私を安心させるのが上手。
まるで精神安定剤だ。

『俺たちは絶対上手くいく』

タケルのくれた言葉が、だんだんと私の自信になっていく。

大丈夫、タケルとならきっと恋愛できる。
タケルだけを見ていればいいんだよね…。

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翌週のお休み、私たちは遊園地でデート。

最近、テストだ部活の試合だ、って忙しかったから、たまにはちゃんと二人で出掛けようという話になった。

今までにも一緒に来たことは何度もあったけど、二人きりは初めてだから少し緊張してる。