「ごめん。
前に、俺には関係ないって言われたのに。
二人を見てたら気が動転しちゃって…」

私はいつもタケルに甘えてばっかりだ。
いい加減、自分のことは自分で解決しなきゃいけないのに。

そう思って涙を拭こうとしたとき、タケルに急に手を掴まれた。

その力が強すぎて、掴まれた手が痛い。

彼の意図が分からなくて混乱する私に、タケルは低い声で、関係あるよ、とつぶやいた。

「え…？」

次の瞬間、彼の手が私の肩に触れて、強い力で抱き寄せられた。

「───確かに秀平と彼女のことなんてどうでもいい。
だけど、お前と秀平のことなら関係大ありなんだよ」

タケルに抱きしめられて戸惑う。

タケルって、こんなに体が大きかったっけ。
くっついている部分から彼の体温が伝わって来て、焦る。