恋する手のひら

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結局、秀平は危なげなく難関のＨ大に合格し、私もタケルと同じK大に無事進学した。

そして今日、秀平はゴールデンウイークを利用してこっちに戻って来る。

卒業式の翌週に彼が引っ越して以来だから、会うのは一ヶ月以上振り。

本当なら、秀平が落ち着いたらすぐにでも会いに行きたかったんだけど、新しい環境に慣れるのを邪魔しちゃいけないから我慢していた。


私は新幹線のホームでベンチに腰掛けて、時計に目をやる。

こっちに着いたら家まで会いに行くから、迎えに来なくていいと言われたのに、待ち切れなくて、新幹線の到着予定時刻のだいぶ前に駅に着いていた。