恋する手のひら

一人になってベッドに突っ伏すと、急に頭の中が冷静になってくる。

心の準備ができていたつもりでいたけど、やっぱりまだ無理かもしれないと思い直す。

だってベッドから秀平の匂いがするだけで、こんなにドキドキしてるのに。

もし隣に秀平がいたら。
あの目に見つめられたら。
触れられたら、キスされたら。

私の心臓は、今度こそどうにかなっちゃうかもしれない。

半分ホッとしているうちに、私はいつの間にか眠りについていた。

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目を覚ますと枕元に秀平の顔があった。

寝てる間、ずっと側にいてくれたのかな。

私はごめんね、とつぶやきながら、彼の顔にかかった前髪をそっと掻き上げる。

今、何時だろう。
辺りを見回して、机の上の時計が朝の6時を指してるのを見てぎょっとした。

「嘘！」

でも確かに窓の外は明るくて、時計が狂っているわけではなさそう。

少し休憩をとるはずが、半日近く爆睡してたなんて。
ありえない！