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「ちょっと待ってろ。
確かこのへんにあったはず…」

その夜、私はタケルの家に貸してもらう約束をしたゲームを受け取りに行った。

以前、二人きりになるのは辛いと言われて以来、タケルの部屋に来るのは初めてだったから、廊下で待とうとしていると、

「入って、適当に座ってて」

タケルに促された。

おじゃまします、小さくつぶやきながらタケルの部屋に足を踏み入れる。

彼の部屋に入るのは久しぶり。
以前の関係に戻れたようでホッとした。

ソファーに腰を下ろして、側にあったバスケの雑誌を手に取る。

「あった、あった。
でも、なんでまた急にゲームなんか…」

タケルは棚の中から見つけたゲームを、私に差し出しながら聞いた。

「このゲーム、すごく面白かったから。
実は週末ね…」

そう言って私が、秀平の誕生日だから週末に泊まりにいくことになった経緯を話した途端。
すごい形相をしたタケルに、そのゲームを奪い返されてしまった。