目の前の実果はきょとんとしてる。

そりゃ驚いて当然だよな。

プレゼントはいらないから一緒に過ごしたいなんて言えば、リクエストさせた実果は断るなんてきっと出来ない。
我ながらやり方が汚いとは思う。

でも、俺が欲しいものなんて実果くらいなのに、何度もしつこく聞いてくるそっちだって悪いだろ。

俺は平静を装いつつ実果の返事を待つ。

実果が俺のことを好きなのは間違いないと思う。
だけど、俺との今の関係を進展させたいと思ってるかどうかは、いまいちよく分からない。

彼女は小さな声でつぶやく。

「それってお泊まりってこと?」

当たり前だろ。
せっかく両親がいないのに、帰してたまるかよ。

「二人きり…だよね」

やっぱり嫌だよな。
ダメ元で聞いてみたものの、さすがに拒否られると傷付くもんだな。

だけど実果が嫌なら無理強いはできないや、と諦めようとしたとき、

「行きたい」

実果が嬉しそうに目を輝かせた。