「見てろよ。
すぐに実果より可愛い彼女作ってやるから」

後悔しても知らないからな、とタケルはべーっと舌を出す。

そうだね、こんなに優しいタケルなら間違いなく素敵な彼女ができる。

「実果」

別れ際、タケルが真剣な顔で口を開いた。

「だけど、もしこの先彼女ができても。
俺が一番初めに好きになったのはお前だからな」

その言葉が胸を締め付ける。

ありがとう。
ごめんね。
色んな気持ちが入り混じる。

「秀平のこと忘れさせてやるとか、俺たちなら絶対上手くいくとか言っといて、結局こんな風になってごめん」

私は首を振る。
タケルの言葉に嘘がなかったのは、私が一番知ってる。

タケルはいつも優しかった。
素敵な恋愛をさせてくれた。

「好きだよ、実果」

せっかくこれ以上泣かずに別れるつもりだったのに、タケルの言葉に私はまた涙が溢れちゃったんだ。