「タケルと一緒にいられて楽しかったし、幸せだった。
だけど、やっぱり側にいたいのは…」

「分かってるよ」

タケルははにかみながら笑う。

「お前も秀平も元々は両思いだったのに、俺が横取りしたようなもんなんだから」

私は首を振る。

「けど、こうやって家に来るのは当分ナシにして。
二人で会うのは結構キツイ」

振っ切るまで時間ちょうだい、タケルはそう言って私に触れていた手をどけた。

「さすがにこんな未練残したまま、今まで通りって訳にはいきそうもないや」

「───ずっとこのままじゃないよね」

私は慌てて確かめる。

「そりゃそうだ。
だってお前、俺がいないと駄目じゃん」

うん、本当にそうなの。
わがままだって分かってるけど、これからも側にいて欲しい。