試合の後、私は話がしたいと秀平にメールした。

『夕方は公園でバスケしてるから、そのときでいいなら』

活字になった秀平の言葉は普段よりさらに無愛想だったから、突然の呼び出しに戸惑っているのか、それとも怒っているのか分からなかった。

とはいえ、今実際に秀平を目の前にしても彼の表情は読めないのだけど。

「どうしても、秀平にちゃんと言っておきたいことがある」

上手く声が出ない。
ここに来るまでに何度も胸の中で予行練習をしたというのに、胸が詰まって言葉にならない。

秀平はそこでようやく私に目を向けた。

その切れ長の透き通った目を見た途端、私の抑えていた気持ちが堰を切ったように溢れ出す。

「秀平がずっと好きだった。
初めて会ったときから、今までずっと」

彼は私から目を逸らし、気を落ち着かせるように息を吐いた。

「───ありがとう。
すごく嬉しい。
…けど、」

秀平がぽつりとつぶやく。

「俺はその気持ちに応えられない」

こうなることは分かってたはずなのに。
秀平の悲しそうな表情と辛辣な言葉が私の胸を貫いた。