何それ。

それって、あの日秀平が私のプレゼントなんて持ってなければ事故に遭わなかったってこと?

「嘘、でしょ…?」

ネックレスが欲しいなんて、あんなの何となく言っただけだよ?

ねぇ、秀平。
こんなことになるなら、口にするんじゃなかった。
こんなもの、いらなかった。

誕生日にプレゼントを用意してもらったのに、そんな風に思ってしまう自分が嫌でたまらない。

「そんな顔すんなって…」

だから渡すの迷ったんだよ、とタケルが頭を掻く。

「勘違いしてそうだから言っておくけど、事故はお前のせいじゃないからな」

違うよ、タケル。
やっぱり私のせいだ。

私が欲しがったりしなければ、秀平はこんなことにならなかった。

ネックレスを握りしめて泣き出した私を見て、タケルはため息をつく。

そして私の手からそれを奪うと、強引に私の首に回そうとした。

「付けとけ」

だけど私はそれを拒む。

「やだ。
タケルからもらいたくない。
秀平からじゃないと、意味ない」

気のせいかな。
私がそう言ったとき、一瞬タケルの顔が曇った気がした。

「…ごめん。
だけどまだ、頭がついていかなくて…」

タケルは少し考えるようにした後、もう少し預かっておくよ、と頷く。

すると次の瞬間。
秀平が微かに声をもらしたんだ。