可能性がゼロでも、秀平を追いかけるべきか。
それともタケルの優しさに甘えてこのまま付き合って、時間が解決してくれるのを待つべきか。

結論を出せないまま夏休みに入ってしまった。

バスケ部はトーナメントを着実に勝ち進んでいく。

タケルが大会に集中してる間は答えを先伸ばしにできる。
そんな理由で応援するのは間違っているけど、私は祈るように応援していた。


トーナメントの三回戦。

うだるような暑さの中、私は隣の県にある、大会が開催される体育館に向かう。

朝から足がふらつくのは、間違いなくこの暑さのせいだ。

早く体育館に着かないかなと何度も願った後、ようやくたどり着くことができた。