空雅に微笑んで
靴を履いたソイツは
夕日の指す方に走って消えていた



シャンプーの匂いを残して…



運動が苦手なアイツの走り方は
小動物みたいで可愛くて
何に急いでいるのかしらないけど
無性に愛らしく感じた



そして俺はふと気づく



空雅の頬が少し赤らんでいたのを
他の5人もアイツが見えなくなるまで
ずっとアイツの背中を見つめていたのを



空雅の好きなヤツが
アイツってことは知ってた


他のヤツらとも好きな人が同じって
薄々気づいてた



今日確実が持てたな



「お前ら、負けねー」



8人全員が心ん中で
言ったような気がした




蒼生((それにしても何に急いでんだ?))
空雅((男じゃありませんように…))



-end-