「触んなよ。」


俺はすぐにその手を掴む。


「っ!!離せ!!!!!」


「離せ? 笑わせるね。人の彼女にストーカーした挙げ句に体を重ねたって…」


男の手首を、力の限り、怒りにまかせ握る。

「っい…ッ!!」


痛みに顔を歪めた男。

掴んだ手首は、女のように細かった。


「ふざけんな」


足で男のすねを思いっきり蹴る。


瞬間、呻き声を上げたかと思うとその場に倒れ込む。


「人の女に手え出してんじゃねえ…。」






それからはよく覚えていない。

怒りにまかせ、殴り、蹴った。


「もういいよ…、もうやめて…」


優子のその声で、俺は我に帰った。


その後すぐに、到着した警察に男は連れて行かれた。

正気を無くしていたので最初は気づかなかったが、警察署で話をしている時にあの男は連続レイプ犯だったと知らされた。