「…変なのー」

ぎゅって抱きしめたら、温もりが伝わって。


甘い香りが、愛しさを増す。


このまま時が止まってしまえばいいと、本当に願う俺は…女々しい…?



しばらく、何もしないけれどどこか甘い空気が流れていた。

そのとき



ぐーぎゅるるる……ぐ…


「あっ」


腕の中にいた優子が声を上げる。


「ちがっ、やだ!あのっ」

「なにも言ってないじゃん…くくっ」


色気もへったくれもないな。


俺は堪えきれず喉を鳴らす。


「わっ笑ってるじゃん!!」


「腹減ったよなあ…、うん」


「よ、陽平!!」


愛しくて、可愛くて、抱き締める腕に力を込めた。