誘惑Baby



聞き間違い?

てゆか、今…。

「陽平……、しよ…?」

「…………えっ?!」

し、しよ……!?

えっ?!


俺の目の前で、顔を赤くして俺を見つめる優子が…今…。


「陽平…」


じりじりと近づく、目を瞑った優子の可愛い顔が俺の心拍数を上げていく。

ちょっと、ちょっと…………ッ


「ッ優子!!!!!」


唇が触れる寸前で、優子の肩を掴む。

「…え…?」

「ちょっと待って、優子…。なんか…優子らしくねえだろ…」


まだ収まらない動悸が、苦しい。


「…いきなり…、どうしたんだよ…」


「…………か…」

「え」

「陽平のばかっ!!!!!!」

「えっ!?ちょっ、優子?!」

優子は俺の腕を振り払うと、バタンッともの凄い音をたててトイレに閉じこもった。


トイレ…、トイレ…かよ…。

「じゃなくて…」


俺はソファから立ち上がるとトイレに向かう。

「優子…?」

「ばかっ陽平のばかっ、分からず屋!むっつり!スケベっ!」

「はあ!?」

むちゃくちゃな言われようだな…。

「陽平なんかっ、陽平なんかっ、」

「嫌い…?」

ドアの扉に手をつく。