……―――

「お邪魔します」

あの後、DVDを借りて、買い物をして、俺の家に来た。

優子は、どこか上の空で目を泳がせているし。

こっちを向いてくれない。


だから…………

ちょっと…意地悪がしたくなる。


「優子」


淹れたコーヒーを手渡す。


「あ、ありがとう」

ぱって、またすぐ目を逸らす。


「DVD、見るか」

てきぱきとセットし、1人分あけてソファに座る。

視線を感じるけど、ちょっと意地を張って気づかないふり。


「陽平、あの…」

「なに」

わざと冷たく言ってみる。

ガキだなあって、めちゃくちゃ思うけど。


「なんでも、ない……っ…」

あー…、泣かしちまった。

ずるいんだよなあ。
本当に。


「優子?」

「ぐすっ、うっ…」

「…おいで」

俺のその言葉を聞いて、ちょこちょこって近づく優子。

「泣くなよなー…」

「だって……ッ」

「そうだな、いじめたの俺だもんな。ごめんね?」

涙に一つキスをする。