そんなある日。



「おい、小娘!金目の物を出しな!」



『・・・・・・・・・かねめ・・・?』



幼すぎる私には、金目という言葉が理解できず、聞き返した。



男は眉間に皺を寄せ、



「てめぇ、ふざけてんのかコラァ!!!」



抜刀した。私は怖くて、逃げようと足に力をいれたけれど、何も食べていない体は、いう事を聞かない。



『キャァァァァァァ!』



刀が私の間近に迫り私は死を覚悟した。目にギュッ・・・と力を入れて。



しかし。



キンッーー



「このような弱き子供に、何をする!」



鎧に身を包んだ男が、その刃を刀で受け止めた。



安堵の溜息をつくものの、恐くて立ち上がれない。



二人の勝負はあっという間だった。



鎧に身を包んだ男の方が、圧倒的に強かった。



「大丈夫か??」



鎧の男は私に手を差し出す。



『あ・・・・・・・・・・・・』



私の身体は、そのまま地面に横たわった。