『・・・・・・・・・来た・・・。』


私は人間の気配を感じ取り、そう呟いた。長政は琴音の見やると、コクリと、ゆっくりうなずいた。


「・・・では、行くぞ。私は直接伊達政宗と、お前は徳川と武田の足止めを。」


『必ずや・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
必ずや、お市様を、お助けしましょう!!』


私達は信長から本陣待機を命令されていたが、そういううわけにもいかない。


伊達を倒すだけで、お市様を助けられるなんて誰も思っていない。


それ以上の功績を、あげなくては。ならば、自分たちから動くのみ。


長政と琴音はそれぞれ別の方向に。馬でかけて行った。


これが、長い長い戦の、幕開けだった。


お市を助けることが、そのために行動を起こすことが、全ての歯車を狂わせたのだった。