「お疲れさん。後半みんな足が止まって、元気なかったで。暑いからって気抜いたらアカン。キツい時ほどしっかり走らんと点とれんで。あとAチームのDFなぁ…」

顧問の大森先生の“説教”が始まった。

大森先生は理解の教師で30年程前、サッカーの名門、杉山学園でDFをやっていて天皇杯に出場経験もある。
練習の最後には10分ほど1日の反省(説教)をするのがこの人のやり方だ。

「…以上!明日の練習はいつも通り9時から。
お疲れ様」

「お疲れ様でした」


練習が終わって、僕も生徒と水飲み場に向かう最中、さっきの宮本君とMFの寺田君が話しているのが耳に入った
 2人は仲が良く、いつも一緒に帰っている

「コンビニ寄って帰ろうぜ」

と寺田君が話しかけた

「今日、お前当番だろ?」
「水野が代わってくれるってよ。アイツ俺に気があるかもな」