ブラウン管の中の彼女




実早ちゃんが望んだ答えを言ってあげられなかったから怒って帰ってしまったんだろう。


謝っておこう…。


「香川さん、実早ちゃんどこにいますか?」


「実早さんなら収録中ですよ?あっ!!せっかくだから見学しに行きましょう~!!」


香川さんは楽しそうに僕の腕を引いた――…。







見なければよかったんだ―…。


ただの幼なじみでいたかったなら―…。


芸能人の“福永実早”なんて

知らなければよかった…。


僕の想いに歯止めがきかなくなった時

“幼なじみ”

というあやふやな関係は終わりを告げた。