ブラウン管の中の彼女



「やっと着いた…」


電車を乗り継ぎ約2時間。

つ…疲れた…。


さっさと終わらせよう…。


僕はテレビ局の入口に立つ警備員さんに事情を説明した。


「ああ、あの香川さんだね。君も大変だね~」


肩をポンッと叩かれ、気の毒そうに言われた。


香川さん…。


そんなに評判になってたんですか…?


予想外なことにすんなり入口を通過した僕は受付で実早ちゃん(香川さんも多分一緒にいるだろう)のいるスタジオの場所を聞いた。


「3階のエレベーターホールの右手です」


受付のお姉さんはニッコリと微笑んだ。


「あ…ありがとうございます…」


テレビ局なんて初めて入るから緊張して声に詰まった。


僕は言われた通り、エレベーターに乗ろうとした―…


が…