ブラウン管の中の彼女



ただの幼なじみだったら伝えられたのだろうか…?


いや、実早ちゃんが芸能人でなかったとしても僕は何もしなかっただろう。


怖いんだ…。


拒絶されるのが…。





“好きだって伝えたって振られるくらいなら今まで通りの関係でいる…”




実早ちゃんは僕が男ではなく、ただの幼なじみだから信頼してくれてる。


芸能人になってから変な人に言い寄られて困っていたのを僕は嫌ってほど知ってる…。


実早ちゃんに拒絶されるくらいなら“男”じゃなくて“幼なじみ”でいい…。


笑顔を向けてもらえなくなるくらいなら僕は喜んで幼なじみでいる。


大勢いるファンの中のひとりでいい。


特別なんて求めない。


だけど…。