「なにこれ…」


目の前に広がった光景に愕然とした―…。


シンクには食器がそのまま置いてあり、洗濯物はたたまれずに干しっぱなしだった。


キッチンの隅に置かれたゴミ袋の山は収集車に乗るのをいまかいまかと待っている。


極めつけは床。


長い間放置されていたのか埃がたまっていた。


実早は体の力が抜け、その場にペタンと崩れ落ちた。


まるで祐ちゃんの精神状態を表しているようだった―…。


綺麗だった祐ちゃんの家は今やその影すらない。


祐ちゃんはここまで追い詰められてたんだ…。


家事をこなす時間もないくらい疲れて…倒れるくらい…。


追い詰めたのは…






………実早だ。