「僕はこういう華やかな世界は苦手ですし、あれ1回きりと決めましたから」


祐ちゃんは困ったように苦笑いすると実早の方を見て申し訳なさそうな顔をした。


「ごめんね、実早ちゃん」


喜んでいた分だけ悲しみは増していった。


「話がそれだけなら僕は失礼しますね」


祐ちゃんは茫然と立ち尽くす実早の横を通り過ぎて部屋から出て行った。


「あら~振られちゃったわね、実早!!」


ママのからかう声も聞こえなかった。


「……祐ちゃんのバカ!!」


実早は祐ちゃんの後を追いかけた。