「なんで今まで気づかなかったの…?祐くんは確かに見た目は野暮ったいけど素材はなかなかじゃない…。ああもう!!私のバカ!!こんなビジネスチャンスを見逃してたなんて!!」


実早と祐ちゃんに背を向け、ぶつぶつと呟く。


これはひょっとして…?


ママに切り捨てられると思っていた実早は予想外の反応に胸を高鳴らせた。


ひょっとすると…?


「祐くん。実早のためにもやってみよっか?」


祐ちゃんの肩に腕をのせたママはグッと親指をだした。


「………へっ?」


ただひとり現状把握の出来ない祐ちゃんを置き去りにして実早は両手を挙げて喜んだ――…。