「“仕事だから一緒に帰れない”でいいの…?」


塚原さんは小さく頷いた。


「“わかった”って伝えて?」


「…ん…」


塚原さんが実早ちゃんの所に戻ったことを確認して再び本に視線を戻す。


今のところは実早ちゃんが大人しくしてくれたから実早会の嫌がらせも終息傾向にある。


このまま何事もなく終わってくれればいいけど…。


「祐、携帯鳴ってるぞ」


「あっありがと」


僕はカバンの中から震えていた携帯を取り出した。


《あとで生物室に来てね★ 実早♪ 》


生物室…?


何の用事だ…?


教室で話しかけられるよりはましだけど…。


実早ちゃんの謎の行動を不信に思いつつ僕は携帯をカバンに戻した――…。