「っつーかなんで実早がこの家に出入りしてんだよ?」


実早ちゃんを強制的に家に帰し、僕は樺摘さんの好きなグラタンの準備をする。


「お前があいつの家に行くことはあっても、あいつがここに来ることなんて滅多になかっただろ?」


樺摘さんの疑問はもっともだ。


前はそんなに頻繁に来ることなんてなかった。


「実は…僕と実早ちゃん…「付き合ってんのか?」


今、まさに言おうとしたことを先に言われて僕は無言で眼を丸くした。


「どうなんだ?」


樺摘さんはトントンとテーブルを指で叩いた。


「……樺摘さんの言うとおりです」


僕は詰めていた息を吐き出した。


「やっぱりな…」


樺摘さんはソファーに体を沈めた。


そして…


「別れろ」


冷たくそう告げた―…。