「…“ちぃ”」
ただ出来ることなら、もう一度お前を抱きしめてやりたい。
甘く優しい香を放つその華奢な体をぎゅっと。
そして。
「サヨナラだ」
俺の大好きだった笑顔を、最後に見せてほしかった。
瞼を閉じたまま体を起こそうとした俺は―――
「拓海くん、長い長い独白、どうもご苦労様でした」
………………は?
間近に聞こえた声に、ピタリと体が固まる。
「ねぇ、今ので全部?」
ハッ…嘘だろ。
何でコイツが俺の目の前にいるんだ?
「ど…」
いやいやいや、さっきまで下にいただろ。
え、いたよな。
うん、いた。
「ええっ!何その反応、意味分かんない」
「それ俺の台詞な」
じゃあ俺の目の前に座り込んでいるコイツは……
「おおっ…ナイスツッコミだね、おにーさん」
ケラケラと馬鹿みたいに笑っているコイツは……

