【短編】宇宙に染まる指先




「……なぁ、」


いつものことだ。


「別に責めやしねぇよ。散々振り回したんだからな」


沈黙を破るのは、いつも、俺。


「会いにも行かなかったし、俺から電話したこともなかった」


もう、いいだろう。

許せ、許してやれ。


「…悪かった」


身勝手な俺を。

この声を聞けなくなるのが、たまらなく不安な俺を。


「もう、“待ってろ”なんか言わねぇから」


好きな女を腕に掻き抱くことさえ出来なかったこの俺を。


「幸せになれ」


どうか忘れてほしい。

馬鹿でどうしようもない愚図な俺を、どうかどうか忘れてくれ。

頼むから。