【短編】宇宙に染まる指先




一体俺にどうしろと。

何を求め、何を求められたいのか。

じわりじわりと俺の心を蝕むこの感覚は、一体なんだというのだろう。


「ハッ。あほらし」


軽く笑い飛ばすつもりが、情けなくも声が震えた。

喉がひりひりと灼けつく。

目がちくちくと痛い。

嗚呼、本格的に酔ってきたのか、明日も仕事だというのに。

体の底から込み上げてくる蟠りをゆっくりと飲み下す。

ふうっと息を吐き出せば、暖められた吐息が白く濁った。

休もう。

もう、眠ってしまおう。

体が重く鈍く軋み始めたのを機に、のろのろと腰を上げようとした矢先。




「もう寝るの?おにーさん」




静かな夜の闇、思いがけない訪問者。

果してタイミングが良いのか悪いのか。

ひくりと心の中で軽く笑って、俺はゆっくりと体の力を抜いた。