【短編】宇宙に染まる指先





そんな情けない自分が嫌で、勝手にお前と距離を取ったフリをして、虚偽の自分を奮い立たせた。

足掻いて、もがいて、必死で自分の足で立とうとして。


「迎えに行ってやれなくて、ごめん。一人にさせて、ごめんな」


それでも、空いた両の手は、さまようようにお前を…お前だけを求めてたよ。

無意識だろうが何だろうが、俺はずっとお前を探していたんだ。


「千尋…」


千尋。

全部言わせちまって、悪かった。

本当は俺が言わなくちゃいけなかったのにな。

ごめんな、こんなどうしようもない野郎で。

でも最後くらい、カッコつけさせてくれよ。




「――――俺の傍にいてほしい」




ちぃの丸い瞳が大きく見開かれた。


「ずっと、ずっとだ。もう迷わねぇ、俺は千尋と離れたくない。好きだ」


鼻の奥がツキン、と痛む。

キリキリと喉が締まって、手の平にじわりと汗が滲む。

嗚呼、情けない。