【短編】宇宙に染まる指先




引き寄せられるようにちぃの目尻に唇を寄せ、ちゅくり…と涙を吸い取る。

少ししょっぱくて、でもどこか甘い。

何度も何度も吸い付き、舐める。


「拓海…く……」


俺の名を呼ぶ声。

それにクラクラとしながら、ふわりと頬に指を滑らす。

ゆっくりと涙の跡をなぞり、その濡れた指を口にくわえながら微笑む。


「ちぃ…」


瞼にキスを落とす。

それにふるりと体を震わせ、ちぃは目を開けた。

色素の薄い茶色の瞳が、俺を見つめる。

じっと俺もそれを見返して、まだ少し濡れている長い睫毛が伏せられた瞬間。


「ちぃ…」


ゆっくりと、だけど素早くちぃの唇を自分のそれで塞いだ。

短く押し付け、一度離す。

少し震えている小さな唇をそっと親指で撫でて、そのまま頬を包んだ。

冷たい冬の冷気の中、触れ合う唇だけが熱い。

時折ちぃの漏らす吐息が俺の唇をくすぐる度、ぞくりと背筋が震えた。