「ずっと見てたんだけど、お姉さんってスノボ超うまくね?」



……。



きもっ!
ずっと見てたとか、怖いし。




「ってか名前教えてよ。」




「山田花子」



「うん。絶対、嘘だよね。」




…。
だって本名言うわけないじゃん。



「俺は佐久間吏恩、大学3年の21。よろしく!」




そう言って右手を差し出してきたナンパ野郎。
もちろん握らない。



ナンパ野郎は握手する気のない私を見て、仕方なく手を下ろした。