「ひろき先輩!!」

あたしは大声でセンパイを呼びとめる

「さな、絶対センパイは受かってると思います。
だから、合格発表の後、少しでいいから話せませんか!?」



「いいよ、ありがとうな!!」


センパイは優しく笑う。あたしはこの笑顔が大好き。


10年前も今も変わらないー

どんなコも立ち入れないあたしたちの関係

付き合ってるわけじゃない

あたしたちの関係は単純。




「さな、あんた明日告んの??」


「え、のの何言ってんの?」

あたしはののに軽くつっこみを入れる

「お前こそ何いってんの??」

...突っ込み返し。


あたしの頭に浮かぶのは?マークばかり

「だーかーらー先輩に告んないの?って言ってんの!!」


「...」


「...」

「...」



「告んないよ?」


しばらくの沈黙の後にやっとでた言葉。


「なんでさ」


「だって卒業式に告白なんて・・印象に残んないよ」


卒業式に告白なんて定番メニュー、あたしは選ばない。


「あんたは十分先輩の印象に残ってるわ」



そりゃ10年来の幼馴染の印象が弱かったら困るし
先輩の記憶力を疑うけど。

「・・・いいんだもん」


カタカタカタ・・・


「ねぇなんか揺れてない??」


「揺れてるけど・・・どうせちっちゃい地震でしょ??」

この日の前日まで小さな地震が続いていたのであたしたちは
どうせ・・と思っていた。

だけど・・

「ね、教室もどろうか?」

「うん」