僕が紫恵に会ったのは高1の冬だった。 図書室で静かに本を読む姿を見かけたのが始まりだった。 彼女は僕のことを2年の春になるまで知らなかったらしい。 昼休みに図書当番に行くと彼女はいた。古文の分厚い本を楽しそうに読んでいた。 大して可愛くもないし、足も太い だけど、目を引かれた。 僕が初めて彼女を認識した日には、年上の彼氏がいたらしい。 彼女にとって初めての彼氏。 そう知ったのは、高2の春。