シトシトと冬には珍しい雨が降っていた。

駅のホームは雨によってびちゃびちゃで、電車の中は滑らないようにみんな険しい顔をしながら乗車している。

そんな満員電車の中、ケータイをいじる、私、森本美奈は、あたかも自分はここにはいないかのごとく、うつむいて涙を流していた。



---ーやっぱり…



高校2年生。いろんなことが難しくなるこの年頃。

平和を知らないかのごとく、ここに問題アリ。人間関係ナリ。



「……っ!!」




信じない、信じない。

そんな呪文を唱えても、やっぱり信じるのが私で。
それに加えて信じる人まで間違えちゃう始末。



友情こそ、

一番輝くものだけど、同時に自分を底なし沼へとひきずりこむ。