これまで一晩で終わった恋がなかったわけじゃない。
女の子はどうしても一度身体を重ねると、
男の子に気持ちが向いてしまう。

(なんか、気持ちが向かないようになりたいなぁ。)

身体から始まってしまうとそれはまるで『恋』
じゃないようなそんな錯覚に陥る。

どうなるかなんて本当に分からないから
とりあえず

「仕事頑張ろう!!」

仕事は自分を裏切らない。
やった分だけ返ってくる。
やらなかったらやらなかったようにも返ってくる。

(だから、頑張ろう。)

「お。やる気だね。花菜。」

からかうように奈南が肩をつついてきた。

「恋で泣いたら、奈南に慰めてもらう。
でも、泣かないように自分を高める努力はする。」

っと宣言して私達は屋上から降りた。