(そうだったんだ。それで、途中で出て
一緒に来てくれたりしたんだ。)

未だに照れている様子の柏木に
私は頭を下げて、

「本当にありがとうございました。」

柏木の手を取って、
両手をぶんぶんと振った。

すると、柏木は

「同じ年齢なんだからもう
敬語使わなくて良いよ。
おれのいないとこで呼び捨てにしてるも
知ってるし・・・。」

(ばれてたか。)

へへへっと私は笑いながら、

「これからもよろしくね。」

っと言った。
すると、なんだか大和先生が
気に入らないような感じで、

「花菜。約束覚えるよね?
来週の金曜日時間空けといて。」

っと言って立ち上がり、医局へ戻って
いった。

「どうしたのかな?」

急に機嫌が悪くなってしまった原因を
考えながら呟くと、

「嫉妬でもしたんだろ。」

っ柏木がしれっと言った。

「嫉妬するワケないじゃん。
大和先生モテるんだよ。
私なんか相手にするわけないって。」

っと笑い飛ばしてしまった。

「お前鈍いなぁ・・・。」

コーヒーの空き缶を持ちながら
ナースステーションへ戻るために立ち上がった柏木は、私の背中に向かって
諦めるかのように呟いたのだった。