それから数日、平穏な日々が続いた。
そんな均衡を打ち破ったのは
一本の電話だった。


「はい、相談室です。
あ、西村ですね。只今代わります。
お待ち下さい。」

(私か。)

「花菜さん、お電話で~す。
消防署の高羽さん。」

(えっ?)

私が戸惑っている間に、さっちゃんが
電話を転送してくれていて
私は取るしかない状況だった。

(メール返さないからって
職権乱用しなくても…。)

心臓が有り得ないくらいにドキドキ
していたけど、意を決して電話に出た。